4話 大会前



 次の日、快晴だった。
 あたしが外に出ると、蘇我が待っていた。
「行こうぜ、第二公民館だって」
「うん」
 約束してないけど、迎えに来てくれた。
 あたしはちょっと嬉しかった。
 にこにこと、蘇我の手を握る。
「ばっ、やめろよ、馬鹿」
「えへへ」
 そうは言っても蘇我はあたしの手を振りほどかなかった。それがもっと嬉しくて、あたしは会場に行く途中ずっとにこにこしていた。
 第二公民館にいくと、なんだかざわざわしていた。
 中にはいると、大きな部屋みたいな四角いガラスがあった。サイズとしては、あたしの部屋くらい。その中に、椅子が六つ。モニターみたいなのが一つ。
「なんだ、あれ?いつもの抱えられるくらいの対戦場じゃないのか?」
「あ、もしかしたら新作かも」
「新作?」
「うん、お父さんが言ってた。今度は、人も一緒に戦えるのを作ったって」
「マジで!? すげえじゃん! やった!」
 蘇我は嬉しそうだ。へんなの。あたしは、痛い思いしたくないし、運動神経も良くないから、絶対入りたくない。
「よお、蘇我」
「中島!」
 そうこう言っているうちに、同じクラスの中島くんが話しかけてきた。蘇我のケンカ友達だ。
 蘇我がぱっと、あたしの手を放した。
 中島くんは嫌な感じで笑って、蘇我の肩を小突いた。
「また夫婦で来たのかよ。飽きねぇなあ」
「そんなんじゃねえよ」
 蘇我は口をとがらせて言い返した。
「何のようだよ」
「いや、始まる前に挨拶しに来ただけ。今日は、一位になったら、あの中に入れるらしいぜ。んで、前みたく、チーム戦するってさ」
「チーム戦?」
「ああ、一、三、五年と二、四、六年のチームに分かれて、団体戦だってさ。三対三」
「へえ」
 蘇我は目を輝かせた。
「じゃあ、またあいつと戦えるんだな」
「南か? 来てるぜ。去年の雪辱戦かよ」
「うっせえ」
 あたしはこっそり蘇我に聞いた。
「雪辱戦って?」
「うっさい」
 教えてくれなかった。




















5話 ライバル?







1話 夢の出会い
2話 日常
3話 新製品
4話 大会前

6話 ネオドランス
7話 とりかえしのつかない戦闘
8話 夢のなかで
9話 剣を求めて
10話 夢の通い路

11話 きつねつるぎ
12話 その後












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