魚は驚きました
木の上から魚が落ちてきたからです
それはキラキラと軌跡を描いて、湖に落ちてきました
そうして湖の底で止まりました
――――魚さん、大丈夫?
魚が尋ねると、その魚も心配そうにこちらを見返しています
――――僕は大丈夫だよ
そう言って笑うとその魚も笑いました
小さな湖に小さな魚がいました
その魚は独りぼっちで、いつもぽつりと湖を泳いでいました
しかし今日からはもう一人ではないのです
湖の底にはいつももう一匹魚がいます
何も喋れず、あまり動けないようですが、それでも魚にとっては初めての仲間なのです
小さな魚は月の光を受けて、キラキラと嬉しそうに輝きました
そうして今日も湖の底に潜ってもう一匹の小さな魚に会いに行くのです
終わり
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