木の上の魚
小さな湖に小さな魚がいました
その魚は独りぼっちで、いつもぽつりと湖を泳いでいました
――――お月様、友達が欲しいです
小さい魚は月を見上げました
月の光に照らされて、きらきらと湖面が光ります
その日の夜、魚が木を見上げると、驚くことに、木の上に何かいます
お魚さんのようです
自分と似た銀色の魚でした
「魚さん、魚さん、どうして木に登っているの?」
けれども木の上の魚は答えません
「魚さん、魚さん、苦しくないの?」
けれども木の上の魚は答えません。
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